それでも、愛していいですか。
「よかったじゃない!」
後日、君島の研究室へ合格報告をしに行くと、君島も喜びを爆発させ、奈緒をぎゅっと抱きしめた。
君島の胸にすっぽりと収まってしまった奈緒は、突然の出来事にどぎまぎした。
鼓動が早くなり、耳まで赤くなってしまう。
「あれ?奈緒ちゃんの心臓、バクバクしてるよ?あ。ひょっとして、ドキドキしてる?」
にやにやしながら、奈緒の顔を覗き込む。
君島先生みたいな格好いい先生に突然抱きしめられたら、誰だってドキドキしてしまうよ!
奈緒が目を泳がせていると、
「もう。そういうところがかわいいんだよな、奈緒ちゃんは。僕に惚れちゃった?」
君島は少し意地悪そうな笑みを浮かべて、奈緒を見つめた。
「や、やだ、先生、なに言ってるんですか。そもそも先生は女に興味ないんでしょ?」
「うん。ない」
君島は即答すると、楽しそうにケタケタと笑った。
完全に遊ばれている。
思わずため息が漏れた。