それでも、愛していいですか。

「なにか、あった?」

奈緒は、静かに首を縦に振って、苦笑した。

「……合コンに行くことになっちゃいました」

「は?合コン?」

意外な答えに君島の声が少し上ずった。

「唐突だな」

「私、苦手なんですよね、合コンの雰囲気って」

「なんでまた行くことになったの?」

そう。

なぜ、苦手な合コンに行く羽目になったかというと。

学食で民法ゼミの友達と食事をしていた時。

美穂が、「合コンしない?」と突然提案してきた。

どうやら高校の先輩と久しぶりに会ったことがきっかけで、そういう話になったらしい。

できるだけ話に入らないようにしていたが、いつの間にか当然のように参加人数に含まれてしまっていて。

「人数そろってよかったぁ。先輩に「頼むよ」って言われてたからプレッシャーだったんだぁ」と安堵している美穂を見て、断りづらくなってしまったのだ。

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