それでも、愛していいですか。
「う、うん」
奈緒がそう言うと、雅哉はにっこり微笑んだ。
「本当は、こういうの苦手でしょ?」
図星だった奈緒はふと顔を上げた。
「僕もね。飲み会は別に嫌いじゃないんだけど、テンションが高いのはちょっとついていけないんだよ」
雅哉はちらりと高広を見て笑った。
奈緒は、同じような人がいてくれたことが嬉しくて、つい、
「あ、私も」
と思わず同調してしまった。
長身で整ったルックスの雅哉は、スーツもばっちり着こなし、文句なしに格好良かった。
これだけ格好良くて、穏やかな雰囲気で。
しかも私と4つしか違わないなんて。
大人だなぁ。
もてるんだろうなぁ。
「奈緒ちゃんは休みの日、なにしてるの?」
にっこり微笑み、奈緒の目を見つめる。
「えっと、私は……」
最近、私、なにしてるんだっけ?
阿久津先生に約束をすっぽかされてから、悶々としていてなにをしていても集中できない……。
ただ、日だけが過ぎていくだけで……。
奈緒がグラスを持ったままうつむいていると。