それでも、愛していいですか。
奈緒がこくりとうなずくと、阿久津の手と唇が優しく奈緒を包んでいった。
そして、肌があらわになると、奈緒はあまりの恥ずかしさに顔をそむけ目を閉じた。
「大丈夫」
阿久津は奈緒にキスを落とす。
唇、首筋、胸、お腹。
初めての刺激に、身体が熱くなる。
ふわりふわりと、浮き上がりそうになる。
先生……。
愛されるって、こんなに幸せなんだね。
こんなに満たされるんだね。
言葉がなくても、こんなに通じるんだね。
肌を重ね、お互いの体温を感じる。
確かに温かくて、今そこに存在することを、生きていることを実感する。
奈緒と阿久津はただひたすらに求めあい、存在を確かめ合った――……。
「大丈夫?」
阿久津は、腕の中の奈緒に穏やかなまなざしを向けた。
奈緒はこくりとうなずき、阿久津の胸に顔をうずめる。
トクン、トクン、トクン――。
鼓動が聞こえる。
阿久津は奈緒をそっと自分の方へ引き寄せた。