それでも、愛していいですか。
デパートに着くと、迷わずレディスフロアへ直行した。
孝太郎は奈緒の後をついて来ている。
こうして二人で歩いていると、知らない人は恋人同士と思うのだろうか。
「女の子って、買い物好きだよなぁ。服いっぱい持ってるのにさ、それでも欲しいんでしょ?」
孝太郎はディスプレイしてあるひらひらしたスカートを触っている。
「オシャレしたいのよ。かわいく見せたいの」
「ふ~ん。かわいく見せたい人がいるわけ~?」
孝太郎はじろりと奈緒を見た。
「べ、別に」
ワンピースを眺めながらそう言うと、
「はは~ん。いるんだな?そういう人が」
と、にたにたした顔でのぞき込んできた。
「奈緒はね、すぐ顔に出るからわかるの。いいじゃない別に、隠さなくても」
「もう!あんたといると集中して服が選べないでしょ!」
「ごめんごめん。わかったから。もう邪魔しないから」
すると孝太郎は、ふぅと息を吐き出し。