それでも、愛していいですか。
謝恩会も終わり、友達との別れを惜しみながらも、みんながそれぞれの帰路につき始めると、社会人の彼氏がいる子たちは、さっそうと車で迎えに来てもらっていた。
そんな中、加菜を迎えにやって来た孝太郎がさっそうと自転車で現れ。
「これが学生と社会人の差ね」
奈緒と加菜は顔を見合わせてくすくす笑った。
「なんだよ」
孝太郎は少し口をとがらせ拗ねた真似をし、すぐに笑顔を見せた。
「じゃ、私もそろそろ帰るね」
奈緒がそう言うと、加菜は声をひそめて、
「今から先生のところ行くの?」
と尋ねるので、奈緒はこくりと頷いた。
すると加菜は突然奈緒をぎゅっと抱きしめ、
「ほんと、よかったね!」
と言って、少し涙ぐんだ。
「うん」
その涙のせいで、奈緒ももらい泣きしそうになった。
「私たち、絶対幸せになろうね!」
「うん」