それでも、愛していいですか。

「よかったな、奈緒」

孝太郎がにんまり笑う。

「うん」

「本当によかった」

孝太郎、ありがとう。

いつも見守ってくれていた。

いつも心配をかけてきた。

でも、私はもう大丈夫。

幸せになるから。

ううん。

もう、幸せだから。

だから孝太郎も、加菜といつまでも仲良くね。

大切な幼なじみ。

大切な友だち。

離れ離れになるのは辛いけど、これは未来への旅立ち。

幸せへの旅立ちだから。

だから、笑顔で別れよう。

前を向いて、歩きだそう。





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