それでも、愛していいですか。

告白




蒸し蒸しと湿気の多い日が続き憂鬱だった。

奈緒のレポート課題はいっこうにまとまらないまま、締切が来てしまい、出来が悪いのはわかっていたが、そのまま提出した。

今日のゼミでは、そのレポートが返却されることになっている。

なんて憂鬱な誕生日なんだろう。

今日で20歳になるというのに。

「では、先週預かったレポートを返します」

ゼミの最初に、阿久津は一人一人名前を呼びながら淡々とレポートを返していった。

「相沢さん」

「はい」

うつむきながら受け取り、おそるおそるレポートを見る。

すると、そこに書かれていた赤字に心臓がずきっと音を立てたのが聞こえたような気がした。

『勉強に集中してください』

ただ、それだけだった。

あまりにショックで、一瞬、放心状態になった。

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