TABOO†異国の夜に抱かれたくて…~秘密の恋
間近に迫る足音に怯えながら、
幾度も細い路地を曲がって――
突然腕を掴まれた。
「っ!!」
『シッ!
こっちだ!』
低い声の男は、私の腕を掴んだまま方向を変え走り出した。
時折横切る街灯の明かりに浮かび上がるのは、背が高く逞しい体に厳しい表情の精悍な横顔。
どのくらい走ったのか…
私の心臓は狂ったように早く打ち、肺は灼けるように熱かった。
もうダメ…――
足がもつれる。
男の腕が私の体をすくい上げ、支えた。
そのまま抱きかかえられるように、路地の暗がりの中に転げこむ。