イジワル王子の溺愛
「……翼…っ…」
「なに、どうした?」
ベッドでシーツを被って縮こまるあたしに、優しい声で近づく翼
もしかして、叫び声を聞いて来てくれたの?
期待しちゃうじゃん、そんなことされたら
「椎、」
――ゴロゴロッ
「きゃああ!!」
やだやだやだー
外はあいにくの大雨に伴い、あたしの大苦手な雷が鳴っているのです
「なに、お前まだ雷怖いの?」
優しいトーンで翼が囁いた
シーツを頭まで被ってるからわからないけど、たぶん隣に座ってる
「……う゛……うん。」
だって仕方ないじゃん、怖いものは怖いんだよっ!