イジワル王子の溺愛
「…じゃあ…っどうしてあたしと付き合ったの?」
必死に訴える顔は、涙でメイクもぐしゃぐしゃだった
「……試してたんだ」
「え?」
「俺が誰を好きなのか」
そしたら違ってた
その辺にいる女じゃない
俺の心の中にいるのはいつだってー…
「あたしじゃ、なかったんだ」
「あぁ。先輩じゃない」
「もう、アスカって呼んでくれないんだね」
「試す期間は終わったから。誰でもよかったんだ」
「冷たいな、翼くん」
あは、と小さな笑みを浮かべる先輩