イジワル王子の溺愛
「翼お坊ちゃん、椎香お嬢さん、学校に着きましたが」
ミラー越しに加藤さんと目があった
「あ、加藤さんあたしは降ります。でも翼はこのまま家に…」
―――バタンッ
送ってください。そう言う前に扉が開いた
「……行くぞ」
「えっ、ちょっと翼!?」
あたしを置いてどんどん歩いていく
「あ、加藤さんありがとうございました!」
「いえ。気をつけて」
加藤さんに頭を下げ、慌ててあとを追いかける
「翼、大丈夫?」
「なにが」
「絶対風邪だよ!安静にしとかなきゃ悪化する…」
「じゃあ椎香が看病してよ」
「え……?」