イジワル王子の溺愛



―――ガラッ


「…はぁ…っはぁ…」


保健室は、先生がいないのか静かだった


ただ閉まっているカーテンの向こうから、寝息が聞こえるだけ


……落ち着け

落ち着けあたし


乱れた息を整えて、震える足をなんとか抑えて歩みを進める


―――シャッ


「…ん…」


あ、寝てる


ベッドでぐっすり眠る翼


だけど……




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