イジワル王子の溺愛




「初めてだね、お見合いの席以外での食事は」


そう言って、嬉しそうにワインに口付ける瀬山先生


「…ワイン、好きなんですか?」


あたしはまだ17だから飲めないけど


「あぁ。唯一好きなものだ」


「…そんなに忙しいんですか?お医者さんって」


好きなものを見つけられないくらい


「あはは、椎香ちゃんは考えが極端だな」


「…すいません。」


頭が固いって翼にいつも言われてたっけ、そういえば


「…で?話ってなに?」


「えっ?」


「話があるから誘ってくれたんだろ?」


――あれから、あたしはすぐに瀬山先生に電話をかけた





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