イジワル王子の溺愛
「大丈夫です。あたしの周りには、もっとバカな人がいますから」
「はは、そうか」
―――あ、笑ってくれた
あたしなんかに笑顔を向けてくれた
「………とう」
「え?」
「ありがとうございます…っ」
こんなにあたしを思ってくれる人がいるなんて
「あたしのために、ありがとう…」
再び頭を下げた
わがままに付き合ってくれて、感謝してもしきれないよ
「いーえ。その代わり、幸せにならなかったら許さないからな」
「……はいっ」
―――ありがとう
瀬山先生
本当に、ありがとう