イジワル王子の溺愛



あたしは無意識のうちに走っていた


まるで、翼が病院に運ばれたあのときと同じ


大丈夫よね


またあのときみたいに、泣きじゃくったあたしに笑顔で言うんでしょ?


『俺はこれくらいでくたばったりしない』って


ねぇ、そうでしょ?


またあなたが、あたしの涙の原因になるんでしょ?


これからもずっと――



駅から一番近い病気に着くと、翼の居場所はすぐにわかった



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