コバルトブルーに染まれ!!
「はーあ。デッサンってはらたつ」

「そういうなよ」

「うるさーい」


俺達は美術室から、帰る途中。

あれからコッテリしぼられた俺達は、廊下に立たされていたわけで。


「コバルトブルー塗りかけなんだけど」

「ド★ン★マ★イ(笑)」

「シバくぞ(笑)」


伊藤は優しい

しかも強い

そして格好いい。


へたすりゃ俺よりイケメンだし。


「大丈夫でしょ。塗りかけくらい。アタシなんてデッサンもまだ」

「ヘタだもんな」

「ヘタって言うな。個性的って言え」

「個性的個性的(棒読)」

「あっ!てめ・・」

こんな会話が出来るのも

俺と伊藤が親友だからであって。

恋愛感情とか一切無い。

東雲さんみたいな清楚な子が好き

「ふふ。仲良しなのね?」

「あ、東雲・・さん」


伊藤の動きが止まって、表情が堅くなった

「やだぁ、「さん」付けなんてよそよそしい。ユリアでいいよ?」

「い、いや・・・東雲さんって呼ばせて?」

「そうなの・・・。あ、早峰くん。こんにちは」

一瞬伊藤が怪訝そうな顔をした。

・・なんで?

「ど、ども」

俺、可笑しくないかな

髪型、大丈夫?



「・・・・・大丈夫だよ?早峰」

そういって、隣の伊藤はニコリと笑った。
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