LOVE PRINCESS(林&愛未)
スキのキモチ
陽が暮れ始めた頃、今まで静かだった家の中が1番騒がしくなる時間帯。
「また、愛未いたのかよ?」
「うっさいわね」
さっきまでお母さんと2人、楽しくお話してたのに。
こいつ等が帰って来ると本当に煩いんだからっ!
ここは林君、私の彼氏の実家。
林君は男4人兄弟の長男で、付き合って2年になる。
そんな大大大好きな林君は、バイトでいない。
「お前、兄ちゃん居ないのに家に居る意味がわかんねー、っいで!」
そう冷蔵庫のジュースをコップに注ぐ、林君の弟(双子の片割れ)がお母さんに後ろから殴られた。
「母さん、何すんだよ!」
「愛未ちゃんに謝りなさいっ」
「は? 本当のこと言っただけじゃん!」
「……謝りなさいっ」
普段は優しくて明るいお母さんは、怒ると半端なく恐いらしい。(林君談)
「悪かったよっ」
そうぶっきら棒に言い放つと、逃げるようにして双子の片割れがリビングから出て行った。