LOVE PRINCESS(林&愛未)
「林先輩、良かったですねっ」
一瞬流れた甘い空気を吹き飛ばしてくれる持田。
ひょこっと顔出してんじゃないわよ!
もう、私の中で持田、お前は敵と判断したんだ!
どっからでもかかって来なさいよ、相手してやるわっ!
敵意むき出しの私に、持田は余裕の笑みを浮かべた。
「林先輩、愛未さんに嫌われたかもしれない。そう言って今日1日落ち込みまくりだったんですよ」
……へ?
そ、そうなの?
キョトンとした顔で林君を見上げると、照れた苦笑い。
やだー、林君たら!
私が林君を嫌うわけなんてないのにー。
って。何流されてんのよ、私。
そもそも、何で持田、あんたが言うのよ。
そして浮かべてる、何となく余裕の笑みは何なのよ!
林君も、照れながら『持田さんっ!』なんて言わないでよ。
「いいじゃないですか先輩、本当のことなんですし。
でも良かったですね、彼女さん許してくれたみたいで」
だから……お前が言うなあああ!
誰のせいでこうなったと思ってんのよ!
あんたのせいでしょうが、あんたの。
って、まだ林君からはちゃんと聞いてないし?
私の憶測だけで勝手に怒っちゃったんだけど。
でも女の勘は当たるのよ。
特に、私の勘は間違いない! はずだもん。
「林君と喧嘩なんてしてないよ?」
持田に満面の笑みを送る。
「え? そうなんですか?」
驚いた顔をした持田は、私じゃなくて林君に答えを求めた。
だーかーら!
林君を見ないでってば!