LOVE PRINCESS(林&愛未)
今にも“?”が飛び出して来そうな林君の腕を引き寄せ
「そうなんの!」
そう力強く言い放つ。
「え? 愛未ちゃん、怒ってたんじゃないの?」
「ううん、怒ってなんかないよ?」
ごめんね、林君。
大嘘を吐いちゃって。
でもね、敵に弱味を見せちゃ駄目なんだよ。
弱味を見せたら負けになっちゃうんだからっ。
にっこり笑顔で答えた私に、嬉しそうに笑う林君は
「あ、もしかして俺の勘違い?」
なんて言いながら私に謝ってくる。
ごめんね、林君。
林君の天然を利用して本当にごめんね。
でも、今はこの目の前の敵、持田に負けるわけにはいかないのっ!
「先輩、勘違いにも程がありますよ」
ケラケラと笑う持田。
……わからない。
だんだん持田がわからなくなってきた。
こういう風に言えば、嫌味のひとつでも返って来て。
持田が林君を好きなのが確定したのに。
この持田の表情……言動……。
これは余裕の笑みなのか。
それとも何か裏のある笑みなのか。