LOVE PRINCESS(林&愛未)



「ちょ、ちょっと待って林君!」


大声を出した私に、今まで話していた2人も黙ってこちらを見つめる。


あ、いや。
ちょっと待ってよ。

ちょっと。


「何? 愛未ちゃん」


林君が首を傾げているけど。
こんなに注目されたんじゃ言える訳がない。

持田は林君が好きなんじゃないの?
なんて。


「えっとー…」


誤魔化そうとしても、何も言葉が出てこない。

あたふたする私に、持田はにっこりと笑い


「あ、私の彼氏の修二です」


そう修二君を紹介してくれる。


そ、そっか……。
彼氏いたんだ。

気の抜けた私は、力なく笑うことしか出来ない。

だって、あれでしょう。

持田“さん”には彼氏が居たってことは。


私のおもいっきりな勘違いってことでしょう?


信じらんない、私!

勘違いで勝手に怒って、ヤキモチ妬いて。

でも、あの時は何か隠してるって思ったんだもん。

だから…、って、そんなの理由になんないよね。


後で林君に謝らなきゃ……。


< 22 / 26 >

この作品をシェア

pagetop