LOVE PRINCESS(林&愛未)
「ちょ、ちょっと待って林君!」
大声を出した私に、今まで話していた2人も黙ってこちらを見つめる。
あ、いや。
ちょっと待ってよ。
ちょっと。
「何? 愛未ちゃん」
林君が首を傾げているけど。
こんなに注目されたんじゃ言える訳がない。
持田は林君が好きなんじゃないの?
なんて。
「えっとー…」
誤魔化そうとしても、何も言葉が出てこない。
あたふたする私に、持田はにっこりと笑い
「あ、私の彼氏の修二です」
そう修二君を紹介してくれる。
そ、そっか……。
彼氏いたんだ。
気の抜けた私は、力なく笑うことしか出来ない。
だって、あれでしょう。
持田“さん”には彼氏が居たってことは。
私のおもいっきりな勘違いってことでしょう?
信じらんない、私!
勘違いで勝手に怒って、ヤキモチ妬いて。
でも、あの時は何か隠してるって思ったんだもん。
だから…、って、そんなの理由になんないよね。
後で林君に謝らなきゃ……。