LOVE PRINCESS(林&愛未)
「そ、そうなんだ。
付き合って長いの?」
ヒクヒクと顔を引き攣らせて尋ねた私に持田さんの彼氏修二君がサラッと答えてくれた。
「もっちゃんが、林先輩に振られてからだから……もうすぐ2週間になります」
へ?
振られて?
「あ、本当だ、もうすぐ2週間だね。
何かお祝いしよっか?」
「うん! あの時、もっちゃんが振られてくれなかったら今頃こんな話出来なかったね」
「もうっ、修二ったら、それは言わない約束でしょう?」
「あ、ごめん」
持田さんが背中を叩くと、修二君はふらついた。
見た通りの弱そうな男の子だな……。
いやいや、そうじゃなくて。
「え? 持田さんって林君のこと好きだったの!?」
「もう過去の話ですけどね? ……それが何か?」
ちょ、何それ!
そんな話聞いてないー!
「あ♪ 大事な彼女が居るからって振られたんですよ、私。
ね、林先輩」
そう言った持田さんの顔は、私が昨日勘違いしてしまった表情で。
もしかして……
「わーっ!
それ以上言わなくていいから、持田さんっ!」
そう慌てる林君も昨日と同じ表情をしてて。
「えー、いいじゃないですかぁ。
彼女とは“一生一緒にいたいから”って言われちゃったんですよ。
愛未さん愛されてますよね」
その言葉を聞いて、真っ赤になってしまった。
「修二、私もこれらくいに愛してね!」
そう言いながら2人は帰ってしまった。