LOVE PRINCESS(林&愛未)
残された私達は、沈黙。
「もっ、持田さん。
言っちゃ駄目だって言ったのになぁ。
あはは…」
林君の空笑いが虚しく消えていく。
だって、持田さんはやっぱり林君が好きだったわけで。
でも今は彼氏が居るわけで。
もう林君のことなんて好きじゃないわけで。
だけど、私はヤキモチ妬いちゃって。
それなのに林君が隠し事するから不安で。
しかも持田さんに告白されたことも内緒にしてて。
“一生一緒に居たい”
だなんて言葉は、ずるいと思うんだ。
「……ま、愛未ちゃん?」
黙ったまま俯く私を心配そうな声と共に覗き込んでくる。
「えっ。え? え?
持田さんの事?
何にもないよ?
告白されたことを黙ってたのは悪かったけど、それは変に心配かけたくなかったからで。
えっと、だから泣かないで?
ごめんね、本当にごめんね?」
私の頬には沢山の涙が伝ってて。
それをアタフタとしながら、服の裾で拭いてくれる。
「は、林くぅ~ん!」
「なっ、何?
お、俺は愛未ちゃんだけだよ?
信じてくれる?」
少し恥ずかしそうに呟いた林君の逞しい胸に抱きついた。
こんな道のど真ん中で。
しかも林君のバイト先の前なのに。
でも林君は大きな腕で私をすっぽりと包んでくれたんだ。