LOVE PRINCESS(林&愛未)



「あれ!? 寅さん、ここって」


色々と考えていた私は、寅さんを散歩させていたというよりも。

私が散歩させられていた、と言っても間違いじゃないかおしれない。


気付けば、林君のバイト先の近くにまでやって来てしまっていた。


「もっおー。
寅さんたら、林君が大好きなのね?」


なんて寅さんに言いながらも、私の顔はニヤけてしまう。


「でも寅さん、こんなところまで来てどうするのよー」


そう寅さんの頭を軽く撫でる手もフワフワしてしまう。



時計を見ると、そろそろ林君のバイトが終わる時間で。

寅さんの横にしゃがみ込み


「寅さん、待ってよっか?」


なんて、犬相手に頬を赤らめて言ってみる。

そんな私に寅さんはわかっているのか、ワンッと鳴いてお座りした。

さすが林君の犬だー、賢い♪

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