LOVE PRINCESS(林&愛未)



だけどバイト終了時刻を過ぎても、中々出て来ない。


おかしいなぁ。

話しこんでるのかなぁ。


「……遅いねぇ」


寅さんを撫でながら呟いても、寅さんは知らぬ顔。

はぁっと小さく溜息を吐き、ドアを見つめていた。


ようやく開いたドアに、私も寅さんも立ち上がる。

そこから出て来る、ワイルドな姿に息をのんで。


「……林っ」


そう声をかけようとした瞬間。

林君の後ろに続けて出て来た女の子を見て止まってしまった。


高校生……?


セーラー服を着た女の子と林君が笑って話しながら出て来る姿を呆然としてしまう。

バイト先に、あんな可愛い子が居るなんて……知らなかった。

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