お猫様の言うとおり
今は昼休みで、今日はあの迷惑な会議もない。

「何か用?」

特に不機嫌でもない声で返事をした。

生徒会の催促なら、即切るけどね。


「なんだ。機嫌いいね、兄さん。」


康介は、そう、安心したように言ったから、少し申し訳ない気持ちになった。


「別に、僕は普通だよ。」

猫にからかわれて腹が立っていたはずなのだけど、実際のところ、そうでもなかったようだ。


いつも気を遣わせているようだから、康介に不機嫌さが伝わらなかったなら、それでいいのだけど。




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