お猫様の言うとおり
生徒会室で、手際よく作業をこなしながら、
その片手間、会議資料にも目を通す。
これは自慢だけど、僕の仕事の有能さは本物。
だからこそ、生徒会の大抵の人間が、僕の普段の行動に口出しできないわけだ。
「兄さん、今日の放課後どうするの?」
僕の横に立って、資料を追加しながら、康介がきいてきた。
資料が六法全書並みの厚さになったものだから、
周囲は青ざめた顔をしていた。
「…何それ、僕の放課後潰して、この資料片付けろ、とでもいいたいの?」
不機嫌に、康介に目をやった。
意地でも終わらせるけどね。
「兄さん、それくらいすぐ終わるでしょ?」
にっこり笑って返した弟を、
人生で二番目くらいに、
「かわいくないっ…。」
と、思った。