お猫様の言うとおり
―僕が、その黒猫に名前をつけて間もない頃。

18回目の春が来た。


この高校の生徒会長、なんてものを任されてから、初めての春だった。




ヴヴッと、携帯が鳴る。

もう、嫌だ。これで何度目だろう。

「…なに?」


不機嫌な声で電話に出ると、慌てた様なうるさい声が僕を責め立てた。


『三崎先輩!?今どこいるんですか!!もう会議始まってるのに…』


「うるさいな、僕の仕事はとっくに終わってるんだ。会議なんて適当に資料作って放課後にでもよこしてよ。」


一方的に告げて、携帯の電源まで切った。


「ホント、うるさい…。」


生徒会長なんて、好きでなったんじゃない。

他人なんて嫌いだ。煩わされる毎日は大嫌い。

< 2 / 42 >

この作品をシェア

pagetop