お猫様の言うとおり
嫉妬(p24-
毎日、毎日、僕は一人木の下に寝転がる。
梅雨が終わって夏へと変わった頃、心地よく感じていた陽射しは、熱を持ちすぎて不快なものへと変わり始めていた。
天気の良い日には、毎日通う木の陰で、相変わらずやってくるクロと昼寝をした。
変わったのは一つ。
放課後になると、クロは起き上がって木の裏へと向かっていく。
「こんにちは、クロちゃん。」
あの女の人は、放課後になると必ず現れて、そしてクロは迷わず彼女の元へ駆けていく。
ひどいものだ、彼女が来ると僕はお払い箱らしい。
初めて彼女を見てから一ヶ月弱、最初は興味もなかったのだけど、あまりにクロが懐いているものだから、
少しだけ、彼女を観察するようになった。