お猫様の言うとおり
「兄さん!また会議サボったって!?」
校舎の廊下で僕を呼び止めたのは、なんてことはない、実の弟・康介。
声を荒げているが怒っているわけではない、何度注意しても直せない僕の癖に呆れているのだ。
「会議は、議長のお前が進めるんだから、心配ごともないし。ていうかめんどくさい。」
「それが本音か!!兄さんがそんなじゃ、示しがつかないだろ。」
この高校の生徒会長なんて者に、僕がなったのは、康介のせいだった。
この真面目な弟は、ふらふら好き勝手している兄を何かに繋ぎ止めて置きたかったらしい。
幸か不幸か、他に候補者はいないし、成績も良かった僕は信任投票で、すんなり会長になってしまった。
康介はさぞ満足しただろう。