アンタ達、あたしの日常どこやった?
「はい本橋ー、ガムは休み時間だけにしとけー」
「香流ちゃん、不意打ちは痛いー」
「予告して投げたら意味ないだろうが」
…確かに。
っていうか、居るんだ。
今時本気でチョーク投げする先生。
しかも上手い。
今の会話を聞く限り、本橋律も立花先生も、おそらく中等部からの持ち上がり組か。
入学式初日。とりあえず皆で自己紹介して明日からのオリエンテーションの説明受けて、解散。
あたしは真澄を待って、家へ帰るべく駅へ向かう。
「あはははは!」
教室での話を聞いた真澄は、その場にしゃがみこみそうな勢いで大爆笑した。
「そっかー、麻架、律と智巳と一緒なったんやー」
「そうそう、本橋律と牧野智巳…って、真澄、知り合い?!」
「知り合いも何もー、ウチの友達やもん、普通にー」
「友達?!あのヤンキーズと?!」
「ヤンキーズって…ああ、説明せんと分からんか。律はな、アレ、ハーフやねん」
「ハーフ?」
「たしかお父さんがアメリカやったかフランスやったか…」
「ちょっと真澄、アメリカとフランスってだいぶ違わない…?」