アンタ達、あたしの日常どこやった?

「…以上が行事の流れで、」



「後は定例会として、週に1度、役員会議を…」



「監査の先生方への報告は…」



次々に引き継ぎの内容が進んでいく。



あたしは懸命にメモを取りながら分かんない度に質問を繰り返す。



うーん、やっぱり中学の生徒会なんかとは比べ物にならない仕事量。



しかも内容が濃いし。



これが"生徒にゆだねられる権限"の重さなんだろうな。



そう思いながら、ふとあたしは隣の中原くんへ視線をうつす。



そう言えば、さっきから資料に目を通してばかりで何も喋ってないけど。



「…分かりました、ありがとうございます」



ひととおりの流れが終わったところで、ようやく彼が口を開いた。



「あ、ありがとうございます!」



あたしも慌てて頭を下げる。



「まあ、私達のやって来た真颯会の活動は、今年は余り参考にならないかも知れませんけど」



昨年の真颯会の会長だったという3年生の先輩が、笑いながら会録を閉じる。



「え…?」



「あの中原くんに、成田さんでしょ。どれだけ新しい真颯会を見せてくれるのか楽しみにしてるから」



うんうん、と隣の副会長の先輩が横で頷いている。



えっと、これは褒められてると思って良いのでしょうか。
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