アンタ達、あたしの日常どこやった?
非現実的な現実
そして見事に一晩中ノートとパソコンと戦い続けたあたしの鞄の中には、朝には1冊のファイルが入っていた。
多分、他の人が見ても内容が分からないであろう、あたし専用の真颯会ファイル。
後は休み時間の度に図書館に通って、メモリーの中身をどんどん詰め込んでいくしかない。
昨日、とんでもない期待をぶん投げられたあたしは、元来の負けず嫌いでそれに応えるべく手を打つことにしたのだ。
やれって言うならやってやろうじゃん!
あたしの"真颯会"、見せてやるんだから!
そんな意気込みを抱えたあたしの顔を見て真澄は朝から目を丸くした。
「なんや、エラい気合い入っとんなあ麻架。あんだけ副会長嫌がっとったのに」
「別に嫌がってたわけじゃないもん。あん時はただ純粋に驚いてただけですー」
「ああはいはい、さよですか」
ニヤニヤしながら言われてもなんか微妙ですよ、真澄さん。
教室に入ったあたしを出迎えたのは、当然のようにもうひとり居るニヤニヤ顔のアイツ。
「よ、副会長様おはよございまーす」
…言うまでもない、本橋律。
「え?成田サン副会長なったの?」
「あ、智巳昨日休んでたから知らねーか。成田サン正式に真颯会副会長の辞令受けたんだぜ」