アンタ達、あたしの日常どこやった?
「とりあえず金髪で青い目の人やったで!」
ああ、ずいぶんザックリした外人をイメージすれば良いのね、とりあえず。
「じゃあ、牧野智巳は?」
あっちのが割合マトモそうだったけど。
「智巳は…なんや生まれつき色素が薄いんかなんかで…アイツあれでも病弱やし」
うっわ、人に偏見持つもんじゃないな。ちょっと反省。
「まあ初日からそんだけ絡んでいったって事は、メッチャ気に入られたんやな麻架」
「…みたいね」
「まだまだ紹介したい友達めっちゃ居るし、明日からもよろしく!」
ぽん、とあたしの肩を叩いた真澄は、ホームへ上がるべく階段を上っていく。
あたしも帰ろうと、自分の路線のホームへと向かっていった。
辺りの人がたまにこちらを振り返る。
だって、真颯学園の制服は他の学校に比べてメチャクチャ可愛い。
白いブラウスに、後ろの空いたべスト、赤いリボンタイにチェックのスカート。
どこのアイドルの衣装かって思うくらいのクォリティ。
そら、正規で入ったら馬鹿高い私立の高校だもんなぁ。
…あたし、タダだけど。しかも3年間全額。
そんな制服のプリーツを揺らしながら、あたしは誇らしげにホームを歩いた。
まさか、翌日から怒涛の日々が始まるなんて、全く思ってなかったからね。