アンタ達、あたしの日常どこやった?

ぎゃあきゃあと何か騒いでる高津遥は完全無視して、あたしは森川さんに携帯を見せる。



「好きな作家さんが居て、その人が新作をあげてたんで」



「ああなるほど…あ、れ?」



「どうかしました?」



「…この作家さん、お名前なんておっしゃるんですか」



「えっと、Ruruさんって…」



「Ruru、さん…?」



しばらく画面の文章を眺めた森川さんが、ぽつりと呟いた。



「…成田さん」



「はい?」



「私…この人知ってます」



「へ?」



えええええっ?!!!



あたしは盛大な音を立てて、椅子から立ち上がる。



急いでプロフィールの画面を開いて、森川さんに差し出した。



「この人、本当に知ってるんですか?!」



「はい、間違いありません」



嘘っ!この学校の生徒とかだったらどうしよう!



あたし全力でお友だちになりたい!



「あの、森川さん!」



「この文章を打ったの……私です」



「…え、」



「考えたのは、彼女です」



森川さんが指差した先にいたのは…!
< 111 / 172 >

この作品をシェア

pagetop