アンタ達、あたしの日常どこやった?

あたしが答えるよりも先にペンと、一緒にルーズリーフを引っ張り出すと、高津遥は手慣れた様子でひと筆書きみたいに何かを書いた。



「ほれ、お前にこれをやろう」



差し出されたのは、見間違えるはずもない。



今、あたしの鞄のなかに入ってる本にも書いてあるのと全く同じ。



………Ruruさんの、サインだった。



「嫌だってばあああ!!!待って!認めない!あたしは断じて認めない!」



「お前、俺の書く話が好きなんだろ?」



「違う!あたしが好きなのはRuruさんって言う知的素敵作家さんの、」



「ちなみに昨日あげた話なら、犯人は、」



「だああああっ!言うな馬鹿っ!!!」



「騒がしいキツネよのう、少しは周囲への迷惑を考えんか」



あんただって毎日毎日昼休みにあたしに迷惑かけに来てるだろうがっ!



そう思いながら、ちらりと周囲を見回すあたしの視界に入ったのは、悶絶するあたしと騒がしい高津遥一行(むしろあたし達全部一緒にまとめてか?)に対してちょっと引き気味のクラスメートの視線だった。



あああ…これであたしの変なイメージがまたいっこ増えた…
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