アンタ達、あたしの日常どこやった?

見えてくる実感


なんだかんだ言いながらしっかり続きを読んでしまったあたしは、何やら複雑な気分を抱えたまま、放課後の廊下を歩く。



向かうはもちろん真颯会の会室。



昨日中原くんに今後の打ち合わせがあるからって、集合掛けられていたのを危うく忘れるとこだったあたし。



あっぶねー、普通に図書館のパソコンでメモリー見に行くとこだった。



「…そんなにびっくりしちゃいましたか?」



「ええ、びっくりしちゃいました」



放課後、気を効かせて迎えに来てくれた森川さん。



ありがたいんだけと、その顔を見ると、昼休みの騒動を思い出してしまった。



やっぱり顔にも出てたんだろうな、森川さんは苦笑しながらあたしの横を歩いている。



「だって…Ruruさん…」



あたしのイメージは昼休みで見事に粉砕された。



どうやったらあの変人の塊のような俺女から、あんな綺麗な文章が出てくるんだろう。



異世界でも経由してるのか?



そんなあたしの言葉に、森川さんは理由を丁寧に説明してくれた。
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