アンタ達、あたしの日常どこやった?

ちょっと恐ろしくなりながら、会室に入る。



昨年の先輩達がキレイに片付けて下さってから引き継いでもらったおかげで、新品の教室みたいに整然と机が四角に並べられている。



「成田さん、今日から使う席、ココね」



ホワイトボードの前、自分の鞄がおいてある隣の席を、中原くんが指差す。



「はい、」



うわあ、なんか本格的に"副会長"って言う言葉が肩に乗っかってきた。



「それから、今後色々と要るようになるだろうから」



と、戸棚を開けて中原くんが黒い布製のバッグを持ってくる。



「真颯会の備品。ノートパソコン、専用で用意してあるから。」



エクセル、ワード、パワーポイントは標準装備してあるよ、とさらりと言われてあたしはもう驚くしかない。



「また最新型だし…!」



「持ち帰りは出来ないけど、校内での持ち運びはOKだから、あとは良い様に使ってね」



うわあ…さすが私立。



やることが本格的って言うか、何て言うか…真颯会、やっぱスゴい。



「森川さんにも、はい」



「あ、昨年と同じバージョンですね、使いやすくて助かります」



パソコンのバッグを開いた森川さんが、特に驚く様子もなくそんな返事をしている。

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