アンタ達、あたしの日常どこやった?

うーん…おそらくこれを簡単に使いこなすんだろうな、森川さん。



将来は立派なOLか秘書になれること間違いないな、うん。



「今、まだ先輩方来てないから先に言っちゃうけど、」



と、前置きをして中原くんが席に座る。



「俺は予告通り、今までの高等部の伝統を壊すつもり…って言うと言い方が悪いけど、新しい真颯会をイチから作る、位の気持ちでいるから」



だからよろしくお願いします、と頭を下げられて、あたしも慌てて頭を下げた。



「こちらこそ、何にも知らないし足引っ張るかも知れないから…ホント、あたしこそよろしくお願いします」



「お2人とも、お見合いの挨拶じゃないんですから」



笑い声混じりに森川さんにそう言われて、あたしと中原くんは顔を上げた。



見事に目線が合う。



「…頑張ろうね、この1年」



「…はい」



あたしが頷いたところで、書記の水嶋先輩と会計の坂井先輩がやって来る。



「お時間割いていただいてありがとうございます」



同じように席の説明をして、パソコンを渡して。



5人揃った所で、中原くんがそう切り出した。
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