アンタ達、あたしの日常どこやった?
これが運命とかいうヤツですか
翌日。駅前で真澄と合流すると、学校へと向かう。
「おはようさん!」
「おはよ、真澄」
今日のスケジュールのメインはオリエンテーション。
寝ててもどうにかなるぐらい比較的楽な行程である。
…寝ないけど。
オリエンテーションの説明の中に、あたしの超ド級の目玉が待っているはずだからだ。
昨日配られたオリエンテーションの冊子を読みながら、あたしは家でワクワクしていた。
やっと念願の、真颯学園独自のあのシステムが聞ける…と。
そんなウキウキ状態のあたしの事はすっかりお見通しらしく、真澄も黙ってあたしのテンションに付き合ってくれる。
いい友達だ、ホントに。
「じゃ、麻架。また後でオリエンテーションでな」
「うん、じゃあね、ます、」
み、といいかけた瞬間、廊下の向こう側から聞こえた大声にあたしと真澄の会話は遮断された。
「見つけたぞ!!!」
「え?」
「あ、出た」
鼓膜を震わさんばかりの大声の持ち主は、廊下の人混みの向こうからずんずんと近づいてくるのが気配で分かる。
…って言うか、人がどんどん避けてくから嫌でも分かるよね。
波みたいにずざあっと、分かれてゆく人の間を真っ直ぐに進んでくるのは、ひとりの少女。