アンタ達、あたしの日常どこやった?

「まず目前に迫っているのがクラス対抗の合唱コンクール。これは月末と言う事で準備が間に合いませんので、引き継ぎで説明があった様に例年通り昨年の準備をそのまま使わせてもらいます」



すらすらと喋る中原くんの斜め向こうでカタカタとパソコンを打つ森川さん。



うわあ、リアルタイムで議事録作っちゃうんだ。



「明日、各専門委員会の開催を予定しています。そこで各委員長を決めてもらって」



ひと息置いて、中原くんが昨年の会録を開く。



「僕達の真颯会の初行事となるのが、来月の体育祭です」



真颯学園は夏に体育祭、秋に学園祭のタイプの学校である。



7月の夏休み直前に実施される体育祭までに残された時間はあと1ヶ月とちょっと。



確かにもう準備は始めてないと遅い時期だ。



「専門委員長が決まって、正式に真颯会執行部が形成されてから発表しようと思ってますが、今年は各学年別では無く、2クラス3学年合同、全5ブロック対抗戦で行こうと思います」



会録では、昨年までは各学年10クラス対抗で、3学年それぞれに1〜3位で表彰、って形式だったはず、とあたしは昨日作ったばかりのファイルをさかのぼる。

< 120 / 172 >

この作品をシェア

pagetop