アンタ達、あたしの日常どこやった?

「明日、専門委員会で各委員長が上がってきたら、明後日には第一回の執行部定例会を開いてこの案を採決、通れば即日発表してグループ分け。今月中旬には各リーダーを決めて練習に入って貰う計算で」



真横でよどみなく喋る中原くんを横目で見ながら、あたしは驚くしかなかった。



この人、どこでどうやったらそんな事思い付いてくるんだろう。



これが、"真颯会会長"なのか、と思うと、なんだか別次元の人みたく見えてくる。



「…成田さん?」



「あ、は…はい!」



「何か、気になるところとか…ある?」



「えーっと…5ブロックでしょう…なんかグループ名というかカラー分けとかしなきゃややこしいですよね…」



5色に別れているもの…なおかつ響きのいいもの…



「五神…!」



あたしは、思わず手を叩いて中原くんの方を見た。



「"五神"…?」



さすがの中原くんも、これは知らなかったらしい。



今更ながら、あたしは自分の本の虫暮らしっぷりを感謝した。



「元々は中国の神話、最近だと風水なんかで聞いたことがある人も多いとおもうんですけど」



あたしは、立ち上がってホワイトボードのペンを取る。
< 122 / 172 >

この作品をシェア

pagetop