アンタ達、あたしの日常どこやった?
「名前すら書けんのか、お前は」
「だーかーら、訳分かんない紙に書くのが嫌だっつってんの!」
「訳の分からん紙ではない!」
「じゃあ文面見せてみなさいよ!」
「ソコはお前には関係ない!」
「名前書く以上、関係大アリでしょ!」
ぐぐぐ、とパソコンの前に押し出される紙を、懸命に押し返すあたし。
こんなんに名前書いたら、どうなるか分かったもんじゃない。
「…仕方のないやつだな」
不意に、何をあきらめたのか高津遥が手を引いた。
はー、朝から相手すんの疲れるヤツ。
「じゃあペンを貸せ」
「は?ペンくらいなら良いよ、はい」
これで大人しく帰ってくれるなら、ペンはプレゼントしたいくらいだ。
何かをじっと見ていた高津遥は、しばらくゴソゴソとあたしの前の席で何かをしていると、いつの間にか姿を消していた。
もー、借りたら礼ぐらい言えよな。
そう思いながらペンを回収すると、あたしは再びパソコンに目を向ける。
今日は放課後は専門委員会だから、あたし関係ないし。
1日フリーな今のうちに、昨日の分までメモリーの内容頭に叩き込まないと。