アンタ達、あたしの日常どこやった?
その日は珍しく、昼休みに高津遥が現れることが無かった。
まあ、あたし的にはラッキーって感じで、ひたすらパソコン眺めてたけど。
終礼が終わると、会室に移動してパソコンを再起動。
真澄が専門委員会終わったら声掛けてくれる約束になってるから、そしたら帰るつもりだ。
同じことでも考えていたのか、不意に引き戸が開くと、森川さんが顔をのぞかせた。
「あ、成田さん」
「森川さん、どしたの?」
「さすがにプリンターは会室にしか無いんで、作った資料印刷に来ました」
「昨日の会議の資料、もう出来たの?!」
「はい。成田さんも見ます?」
今、図書館で中原くんにも見せてきたんですけど、と森川さんが印刷したプリントを見せてくれる。
5ブロック・5色チーム制が簡潔にまとめられていて、すごく読みやすい。
はー、ホントにあたし達が会議でまとめた内容が、学校で行事として成立しちゃうかも知れない訳か。
なんか…慣れてないからか、ものすごいことに加わってしまったような実感が未だに抜けない。
「これを今から監査の先生に提出して、明日には定例会で採決です」
「そんなあっさり監査の先生通るものなの?」
「私が知る限り、中原くんの提出した案で通らなかったものは見たことありません」
…それだけ完璧ってことか。
先生たちも信頼してるんだろうな、中原くん。