アンタ達、あたしの日常どこやった?

「あ、先生で思い出したんですけど」



と、ふと森川さんが思い出したように手を叩いた。



「成田さんの事、立花先生が探してらっしゃいましたよ」



「へ…?」



立花先生が、あたしを?



えええ、あたし何かやらかしたっけなあ…



今日は日直じゃないし、数学の課題もちゃんと出したし…



「ああでも、急ぎの用事でも無かったみたいですし、明日でも…」



「やだ!気になる!」



がたん、とあたしは立ち上がると森川さんに先生の居場所をたずねた。



「確か、まだ職員室に…」



「ありがと!行ってきます!」



あたしは廊下を早足で職員室へと向かう。



だって先生から呼び出しとか、何か気になって今日帰れなくなるじゃん!



「失礼します」



ひと呼吸置いて、あたしは職員室の引き戸を開けた。



ちょうど専門委員会の終わった時間帯と重なったらしく、職員室には生徒の姿も多い。



あたしは真っ直ぐに立花先生の机を目指すと、後ろから声をかけた。



「立花先生、成田です!」



「お。もう帰ったのかと思ってたんだが…ちょうど良かった」



明日でも良かったんだけど、と差し出されたのは1枚の紙だ。
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