アンタ達、あたしの日常どこやった?

「なんですか、コレ」



「部活動申請書だろ?俺が真颯会監査で何の部活の顧問もやってないからって、良く指名してきたな」



「………は、い?」



あたしは文字通り目が点になった。



ぶかつどうしんせいしょ?



いやいや、あたし真颯会入ったばっかで手一杯で、部活入るつもりなんて全くないし。



恐る恐る、受け取ったあたしはその紙を見てさらに固まった。



『新規部活動申請書

 部活名:声優同好会

 活動場所:視聴覚室

 部長:1年Cクラス
    成田麻架

 顧問:立花香流

 部員:高津遥
    杉村葵
    森川未月
    二宮真澄
    本橋律
    牧野智巳』



なんじゃこりゃああああ!!?



全く身に覚えの無い書類にあたしの手が震える。



「せ…先生、これは一体…」



「昼休みに高津が持って来たぞ。特に問題も無いようだったから許可もすぐ下りたし」



部長のお前には先に伝えておこうと思ってな、という先生の言葉も、もうあたしの耳には入っていない。



何が不思議って、書類に書いてあるのは全て直筆の文字だと言うこと。



そう、あたしの名前も、あたしの筆跡なのだ。
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