アンタ達、あたしの日常どこやった?

「だから、お前の筆跡で、俺が書いてやったんだ」



「どうやって?!」



「お前の教科書の名前欄見て」



もしかして、昨日の朝がさごそしていたのってそれか…!?




でも名前見て、ヒトの筆跡真似れるって何者よコイツ。



「見たものそのまま書くだけだ。誰にでも出来るだろう?」



できねえよ…!!!



そんな調子で朝からAクラスの前で騒いでるものだから、入学式の再来状態。



人混みを避けるようにして、そのうちに杉村さんと森川さんがやって来た。



「はるる、今度は何やったの?」



「俺は何もしていない。キツネが勝手に騒いでいるのだ」



「勝手にヒトの名前使ってんでしょーが!」



「こらこら麻架、メッチャ廊下詰まっとるやん」



ぽんぽん、とあたしの肩を叩いてなだめる真澄の声に、あたしはようやく少し落ち着いて、深々と息を吐いた。



「もう、何なのよ一体…」



高津遥。コイツが絡んでロクなことが有った試しがない…!



もう、あたしは全力で全てを投げ出してやろうかと思った。

< 135 / 172 >

この作品をシェア

pagetop