アンタ達、あたしの日常どこやった?
「だから、お前の筆跡で、俺が書いてやったんだ」
「どうやって?!」
「お前の教科書の名前欄見て」
もしかして、昨日の朝がさごそしていたのってそれか…!?
でも名前見て、ヒトの筆跡真似れるって何者よコイツ。
「見たものそのまま書くだけだ。誰にでも出来るだろう?」
できねえよ…!!!
そんな調子で朝からAクラスの前で騒いでるものだから、入学式の再来状態。
人混みを避けるようにして、そのうちに杉村さんと森川さんがやって来た。
「はるる、今度は何やったの?」
「俺は何もしていない。キツネが勝手に騒いでいるのだ」
「勝手にヒトの名前使ってんでしょーが!」
「こらこら麻架、メッチャ廊下詰まっとるやん」
ぽんぽん、とあたしの肩を叩いてなだめる真澄の声に、あたしはようやく少し落ち着いて、深々と息を吐いた。
「もう、何なのよ一体…」
高津遥。コイツが絡んでロクなことが有った試しがない…!
もう、あたしは全力で全てを投げ出してやろうかと思った。