アンタ達、あたしの日常どこやった?

「だーかーら、俺が広報委員長なの」



牧野智巳はぺしぺし、とプレートを叩くと委員会名をアピールして見せる。



「何?アンタがあのホームページ作っちゃってる訳?」



「うん、作っちゃってる訳」



人は見かけによらないというか…そんな隠れた才能、このちゃらんぽらん茶髪男からは見い出せないぞ。



…やっぱ、あんなホームページ作るヤツは変人だったって事か。



この場合の変人は、文字通り牧野智巳をさすけれど。



「皆さん、揃いましたか?各自ご着席をお願いします」



最後に会室に入ってきたのは中原くん。



あ、すっかり会長モードだ。



「それでは、定例会を始めます」



ぴん、と空気が張りつめる独特の会議の雰囲気。



うん、あたしこの空気、嫌いじゃないんだよね。



「改めまして、このメンバーが今年度真颯会執行部の正式メンバーとなります。よろしくお願いします」



まずはひとりずつの自己紹介。



それから、来週の合唱コンクールの確認をして、直ぐに本題、体育祭の議題へ入る。



「お手元の資料の確認をお願いします」



ざわ、と目を通した先輩方の間の空気がざわめくのを感じる。
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