アンタ達、あたしの日常どこやった?
あたしはすっかり忘れていた。
目の前の茶髪男も超絶情報通だと言うことを。
翌日には、非公式ながらも"新・体育祭"の噂はあっと言う間に校内に知れ渡っていた。
あたしはこの裏に絶対牧野智巳と本橋律の存在を感じるのだが、本人達には笑って相手にされなかった。
でもさあ!あの会議に出てなきゃ話なんて漏れないでしょ!
…もしかして、牧野智巳が広報委員会長って言うのは中原くんの布石…?
だとしたらいよいよ恐ろしいな、中原くん。
もちろん、そこまで噂が本格的に流れ出した以上、先生方も意見を無下には出来ないだろう。
数日後には"新・体育祭"の草案書類は監査済の朱印が押され、会室へと戻って来たのだった。
「なんて早業…」
「物事を大きく動かす時には、たまにはスピードも要求されるものだよ。遅すぎると後手後手に回らなきゃいけなくなるからね」
あたしの呟きに、さらりと返事を返す中原くん。
臨時定例会で決定を報告した後、会室にはあたし達役員と体育委員長、あと牧野智巳が残っていた。
体育委員長と中原くんは、長い事、明日からのグループ分け、リーダー決めの流れを話し合っている。