アンタ達、あたしの日常どこやった?

何が怖いかって、本当に怖いのは牧野智巳に褒められる方じゃなかった。



数日と置かずに実行しようと言う、真颯会執行部の実行力である。



「え!?あたしも喋るの?!」



中原くんの話の途中で、あたしは思わず声を上げた。



「うん、成田さんも説明参加してもらうよ。俺1人で喋るの疲れるもん」



疲れるもん、じゃなくてさあ…



明日の朝、一斉公開されることになった"新・体育祭"。



サテライト全校集会の打ち合わせの真っ最中の突然の指名だった。



「成田サン、人前で喋るのも目立つのも得意っしょー?」



にやにやと笑いながら牧野智巳が言葉を挟む。



うるさい黙れ、ややこしくするな話を。



「前半、俺が概要を喋るから、成田さんが後半補足してもらう感じで」



「大丈夫ですよ、資料も原稿も用意しますから」



あああ、森川さんの優しさにあたし泣きそう。



「じゃあ、明日の朝礼後に15分枠をもらってるから、朝礼の時に新聞配ってもらって、説明って形で。同時に各リーダーも募集開始するから」



体育祭の実行委員会は、体育委員を中心に会室横の空き教室に設置されるらしい。



…あの教室、資料室か教材室かと思ってたけどそんな利用されるのか。



秋には文化祭実行委員会の会室に化けるらしい。



抜け目無いなあ、真颯会。
< 146 / 172 >

この作品をシェア

pagetop